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空間ノート 〜心地よい空間の理由〜
Vol.07  アルヴァロ・シザの空間 (セラルヴェス現代美術館)
アルヴァロ・シザは、ポルトガルの建築家です。シザの建物を見たと、非常勤でお世話になっている大学で話をしたら、「シザはいいけど、難しいよね。」という答えが返ってきました。
「図面から、あの建築の良さを感じ取るのは難しい。シザのような卒業設計をやりたかった学生がいたのだけど、その評価が難しかった」ということでした。

様々な要望を、プランニングでまとめる上で、まずはきれいな形に納めようと考えます。しかし、すっきりまとまることはむしろ稀で、そこで種々の形の検討がおこなわれます。そんなとき、ほんの少し出っ張らしたりとか、いびつな形にすると、うまく納まったりした経験があります。そしてその機能の要請から生じたプライマリーな形からのずれが、結果として魅力的に思えたりすることがあります。

シザの建築はモダンな幾何学をベースとしながら、微妙な形の変形がおこなわれています。しかしその操作のあり方は、前述した機能の要請からくる、結果としての変形を超えたところにあるように感じ取りました。むしろ、原型からの変形が自己目的化しているような感じでした。根拠やよりどころは、言葉では説明できないのだけど、その場で形を感じ取ると、そのいびつな出っ張りや、ゆがみがとても心地よい自然な形に思えるのです。
豊かな情緒を形の緻密さで語ってくれるのがシザの建築なのだと思いました。それは、大上段のコンセプト等がなくても成立する建築で、だから逆に強い構想力が求められる卒業制作などで、表現するのは難しいのではないかと思いました。
セラルヴェス現代美術館 / アプローチ
折れ曲がった庇に導かれるようにエントランスへ向かいます
 
セラルヴェス現代美術館 / 前庭
エントランスに入る前に、開けた空間が前庭としてあります
 
セラルヴェス現代美術館 / ホール
ホールからエントランスを見ています
 
セラルヴェス現代美術館 / ホール
展示室に入る前のホールです
 
セラルヴェス現代美術館 / 地下への階段
地下への階段は、プロポーションと光の入り方がとても印象的なスペースでした
 
セラルヴェス現代美術館 / 展示室
展示室の間の壁の処理が独特です