開いた扉

事務所→稲毛の家→目黒区役所と電車で長距離移動をしたので、久しぶりに本をじっくりと読みました。(普段は自転車通勤なので、なかなか本を読む時間がとれません。)稲毛は千葉市の建築賞の現地審査、目黒区は柿の木坂の家の確認申請書の受理。それにしても、柿の木坂の家は結局役所の手続きが、計3ヶ月と10日、長過ぎる。

先日講演会で話しを聞いた、「シュリンキング・ニッポン」(大野秀敏+アバンアソシエイツ)を一気にかなり読みました。縮小する都市について、いろんな立場の人が語るという内容なのだけど、本筋より、ささいな情報が意外に頭に残ったりします。

面白かった、そんな些細な情報は、アメリカの子供室の扉は開きっぱなしだという話。少なくとも12歳くらいまでの子供の部屋はほとんど開きっぱなしで、閉じているのは「一人にしてくれ」というサインなのだそうです。

日本の公団住宅の最初のプランは襖で仕切られた、流動的な使い方ができるプランでした。そこに海の外から、プライバシーの確保ができる個室という概念が入ってきた。アメリカでは、「個室」という建築のエレメントと「扉を開いたまま」というマナーがワンセットだったのが、「個室」という建築のエレメントだけがはいってきたということだそうです。

稲毛の家は、クライアント不在のため、お借りした鍵を開けて、審査員の方々をお招きしました。全ての個室の扉が開け放たれており、「どこでも入っていいですよ」というクライアントからのサインを感じ取りました。