メキシコ20世紀絵画展と宮本三郎記念美術館

少し前にメキシコにいったこともあったので、メキシコ絵画の展覧会が開かれている、世田谷美術館へ。メキシコ絵画の多くは、政治的なメッセージを持っています。スペインにより永く統治され、いくつかの革命により近代化を遂げていった、この国の絵画の多くは、民衆に対し、その歴史的なアイデンティティを確認することを求め、民族的な誇りを鼓舞しようかとしているように見えます。普段時々見る現代美術とは異なり、「目的」を持った絵画を久しぶりに見ました。

その帰りに、分館である宮本三郎記念美術館へ。独立後に一番最初に設計したのが、宮本氏の故郷にある「小松市立宮本三郎美術館」。それに対し宮本三郎記念美術館は、宮本氏の世田谷のアトリエの跡地に造られた、小さな美術館です。小松の美術館を設計した時に、慣れ親しんだ、宮本さんの絵を久しぶりに鑑賞しました。今回の展示にはなかったけど、宮本さんは、戦争画も良く描かれていました。その戦争画の重苦しさと、メキシコ絵画の重さに共通するものを感じました。

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