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アスロックにおける住宅瑕疵担保責任保険の設計基準

●竜泉の家

竜泉の家の外壁は、ノザワのアスロックを使っている。アスロックの素地調の仕上げとしては、「ナチュリアル」と「ナチュリアルプラス」の二つが用意されている。「ナチュリアル」は素材自体に防水性があるのだが、「ナチュリアルプラス」はさらに吸水防水処理を施した物で、雨濡れ時の変色が少ないワングレード上の商品だ。
コスト面を考慮し、また戸建て住宅ではそこまでのハイスペックは必要ないと考え、今回は「ナチュリアル」を選んだ。

先日、工務店から連絡があり、住宅瑕疵担保責任保険の設計基準では、アスロックの無塗装品は、原則認められないと指摘が入ったという。

アスロックのカタログには、その記述はないし、カタログの「ナチュリアル」施工例として、集合住宅なども上げられている。
例えば、似たような材料のラムダのカタログには、建築基準法の上で問題無くても、住宅瑕疵担保責任保険の設計基準に適合しない場合は、その旨の記述がある。そんなこともあり、まったく予想していなかった話であった。

アスロックのメーカーの担当者も、住宅瑕疵担保責任保険の設計基準におけるアスロックの扱いについては、把握していなかったようだ。メーカーの担当者に、住宅瑕疵担保責任保険に連絡をしてもらい、「ナチュリアル」の性能の説明をしてもらい、結局当初の仕様の「ナチュリアル」で良いことになった。
しかし、担当者レベルの判断であった可能性もあり、今後は少しシビアに考えた方が良い。またノザワ側にも、住宅瑕疵担保責任保険の設計基準における、アスロックの扱いを明確にして欲しい。

ちなみに「ナチュリアル」から「ナチュリアルプラス」にした場合は、1450円/㎡アップとなる。外壁面積は戸建て住宅の場合、200〜250㎡程度なので、それなりの額となる。

階段の位置の変更は増築になる

●北品川の家(リフォーム)

週末は、先日リフォームの相談を受けた方の、お宅に。本格的な設計はこれからとなるが、何度か話を重ねて、設計と工事内容が見えてきたので、その説明と設計契約内容の説明をするのが、本日の主旨。

お住まいは、昭和49年に建てられたもので、リフォームと合わせて耐震的な補強をおこなう。やっかいなのは、不同沈下により、建屋が傾いていること。擁壁の上に建っているのだが、切り土と盛り土にまたがって建っているのだろう。基礎か土台をジャッキアップして、不陸を直すことになるが、基礎からのジャッキアップは、結構な費用がかかるため、土台からのジャッキアップにならざるをえないようだ。

打合せの前には、区役所でいくつか相談。その結果分かったこと。

  • 一見戸建て住宅と見えるが、今回の住宅は3軒がひとつの長屋として、確認申請が出されている。残り2軒を 何らかの形でまきこむことになるので確認申請が必要となる、新築・増築などの建築行為は、現実的には難しい。
  • 屋根の形状は、床面積が増えないので、増築とはならず、確認申請は必要とならない。
  • 階段の位置の変更は、階段の「元あった位置での減築」「新たに移動した部分での増築」となり、本来なら確認申請が必要となる

リフォームの相談

●北品川の家(リフォーム)

戸越公園の家の見学会に来ていただいた方から、リフォームの相談を受けた。
本日は、その第一回目のラフ提案。模型を作って打ち合わせに望んだのだが、随分と喜んでいただいた。模型はしばらく眺めたいとのことで、しばらくお預けすることにする。(写真を撮り忘れたので、残念ながらここにはアップできません)

お施主さんは、本当は新築を望まれていたのだが、区役所に相談にいったところ、不可能といわれたとのこと。
既存の住宅は、3軒が繋がる長屋状の建物となっている。確認申請の図面が無くなっているので、あくまで推測なのだが、同一敷地内の一つの建物をして、確認申請が出されたのではないかと思う。
新築となれば、新たに確認申請は、当然必要となる。建物は古く、現行法規には適合しないものだ。3軒の長屋が同一建物として既に申請されているので、新築の確認申請の際に、他の2軒を現行法規に適合するように是正することが求められる。従って1軒だけの単独の新築は認められないことになったのではないか。
この点については、後日お施主さんともう一度区役所に確認することにした。

法規上の事情はわかるのだが、住まい手が違う、3軒同時に建築行為がおこなわれることは考えにくく、となると、この3軒はリフォーム以外に家を更新していく術がない、未来がない建物になってしまう。何とも不便な法律であり、現状に即した柔軟な補足規定がないものかと思う。
作り手も、そのようなことを予見して、建築行為をするべきだったと思う。

狭い敷地の住宅(狭小住宅)の窓 民法235条 その2

□日々の暮らしの中で

以前、設計者として、隣地境界線と窓との関係についての話しを書いた。今回は、自宅隣に建つ住宅についての話。(逆の立場ということです。)

大手住宅メーカーで作られている隣の家は、基礎工事が出来たかと思っていると、いつの間にか鉄骨が立ち上がり、先週の金曜日には、外壁とサッシが一気に立ち上がった。パネル化された部材を組み立てるだけなので、本当にあっという間に出来上がる。

今まで、眺めが良かった、隣地側の窓の前には、外壁ができた。いずれは何かが建つことだし、見通しが悪くなるのは、仕方がない。しかし隣の家の窓が丁度、自宅の大きな出窓を見下ろす位置についていた。隣の家の大きな窓は、唯一その窓しかないのだけれど、それが、高さ方向は少し違うのだか、ほぼ平面的に一致する位置に、同じような大きさの窓がつけられた。

メーカーの担当者に連絡をして、事情を説明し
・できれば窓に目隠しを付けて欲しい
・ガラスを半透明にする程度の処理であるのであれば、開けることができる窓は困る
の2点を御願いした。
民法235条における窓の目隠しについては、「開閉できる窓は曇りガラス程度の目隠しでは不可」という判例が出ている。

法的な話を別としても、わざわざ唯一の大窓を、既存家屋と見合うような位置につけてしまうのはどうしてなのだろう。聞けば、話がでなければ、透明ガラスにする予定であったとのこと。事前に近隣の窓の位置は調べなかったのだろう。

民法235条の目隠し請求権は、けして先に出来た建物側のわがままを認めるという主旨の法律では無いと思う。
密集した町中での建て替えは、後からできる建物が、既存の環境に配慮して計画をおこなうことの積み重ねをおこなわなければ、町全体としての質が上がってこない。
後から参加するものの、モラルの質について規定した法律だと思う。

狭い敷地の住宅(狭小住宅)の窓 民法235条

□日々の仕事の中で

敷地が狭い場合、考慮しなければならないことのひとつに、窓の問題がある。

法的な規制としては、民法上で

「第二百三十五条 境界線から一メートル未満の距離において他人の宅地を見通すことのできる窓又は縁側(ベランダを含む。次項において同じ。)を設ける者は、目隠しを付けなければならない。 

2 前項の距離は、窓又は縁側の最も隣地に近い点から垂直線によって境界線に至るまでを測定して算出する。」 

狭い敷地では、目一杯建てざるを得ないので、ほとんどの窓は、その規定を受けることになる。

従って、建物を計画するときは、同時に近隣の窓の位置を調べておかなければならない。

最終的には、上棟時に、窓の位置を再確認するようにしている。この時点で、窓の位置を変えた方が良いと判断したこともある。(今までに二度ほど)

最近、この件で、近隣から問い合わせがきた。

当該建物の敷地の隣は、現在空き地となっており将来的に、区の公園となる予定。

その公園を挟んだ位置にある家から工事中に、

「自分の家のリビングの窓を見ることができる窓が、設置されているようだけど、この窓には、曇りガラスを入れるなどの処置をしてもらえているか」

との質問が、工事会社を通してあった。

工事中の家の当該窓は、敷地境界線から1m未満の位置にあった。

しかし、空き地を挟んだ家に対しても、「目隠しを付ける」という法的な責務は生じるのかという疑問が生じた。

友人の弁護士に、尋ねたところ、

「空き地を挟んだ家に対しては「目隠しを付けろ」という法的責任を負わないと思います。民法235条は、あくまでも隣地所有者間の、(所有権者としての)権利義務を定めた規定と考えるからです。」

との回答を得た。

しかし、もちろん、近隣のことだから、実情を踏まえ、施主との話し合いをもとに、円満に解決するつもりではあるが。

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