エコハウス見学会

SUR都市建築事務所の浦田さんが設計してご自宅として使われている、「雑司が谷ZEH」の見学会に参加してきました。この住宅は、エコハウスとして知られており、ハウスベースの植村さんが定期的に見学会を企画しています。

3階建ての建物なのですが、木製のルーバーで建物のボリュームが隠されて建物の威圧感が感じられません。また緑が多いことで、程よく外からの視線がカットされています。

3階建て35坪の建物に設置されたエアコンは1階の床下と3階だけです。床下エアコンから吹き出された風は床下のピットを通り、吹き出し口から出ています。空調の考えはこの二つのエアコンを使った全館空調となっています。また基本的な使い方としては、緩い温度と風量の設定で24時間空調をおこなっているということでした。

浦田さんの話では、2階建てであれば、二台で問題ないのだけど、3階建ての場合やや2階の熱環境が落ちるとのこと。エアコンの容量をおとして、各階1台づつ設置する方がバランスが良いかもしれないという話でした。

これぐらいの空調設備で賄える理由の一つ。それは太陽光のコントロールです。制御がしやすい南の窓を大きく開ける。そして夏の室内への日差しの差し込みを防ぐことができて、冬には熱を取り込むことができる適度な大きさの庇を出すことにより太陽光をコントロールします。

理由のもう一つは、高い断熱性能を持った壁と屋根を作ること。また開口部の性能をあげること。浦田さんの話では、例え庇が取りにくい場合であっても、この性能値をあげることでほとんどの場合カバーできるという話をされていました。例えば西側にしか窓が取れないなどの様々な理由で太陽光のコントロールが難しいこともありますが、基本的な性能をあげることで対応できるということです。(予算の問題はありますが)

屋上に設置された、5.25kwの太陽光パネル。屋上テラス以外はこのパネルで覆われています。発電量は電気使用量よりやや少ないようですが、電気の売電価格と購入価格との比較では売電価格の方がやや上回っているとのお話でした。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら