木造3階建てのコスト

木造3階建ての計画ではコストが問われることが多いです。鉄骨造3階建ての場合はある程度の予算があった上での選択ですが、木造3階を選ぶ場合は、コストを重視しての選択ですから、当然といえば当然です。
先日も問い合わせがありましたので、備忘録も兼ねて、ここ最近3件の概略の坪単価を記載しておきます。いずれも消費税抜きの表記です。持ち込み家具とカーテンブラインド類以外の全てを含んだ坪単価となります。いずれも3社見積もりをとりましたが、偶然にも全て江中建設の施工となりました。

北千束の家1 2015年竣工 81万/坪(但しキッチンは別途専門メーカーが制作)
床暖房、吹き抜けや3畳+αのテラス等があることを考えると抑えられた坪単価になっていると思います。形が比較的無理なくまとまっているのがその理由だと思います。
 
北千束の家2 2015年竣工 95.4万/坪
キッチン、浴室別の二世帯住宅であることがコストを押し上げていると思います。また2階のテラスに加え屋上テラス+屋外階段があること。敷地の形状が複雑なため、建物の形状も複雑にならざるを得なかったのもコストに影響しました。床暖房は二世帯にあります。

代々木の家 2016年竣工 98.4万/坪
駐車場部分を除いた内部空間だけの坪単価で考えると、105.3万/坪となります。お施主さんがかなり内装材や造作にこだわりを持たれたことで、3件の中でもっともコスト高の建物となりました。
番外編として。。
5年前に江東区で計画した木造3階建ての狭小住宅はかなり坪単価を抑えました。本見積もりまで進んだのですが、お施主さんの転勤が決まり、残念ながら中止となった計画です。
その坪単価は67.2万/坪。地盤改良と給水引き込みを別途とすると62.0万/坪。かなりのローコストです。
当初から予算の上限がはっきりと示されたことで、建主理解のもと仕様を抑えることを優先したこと。コストに強い工務店に最初から相談したことが、ローコストに結びついたと思います。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら