イゼナのアクアレイヤー 蓄熱について

先日はイゼナさんのお誘いで、我孫子にあるイゼナさんのモデルハウスに行ってきました。このモデルハウスではアクアレイヤーをはじめとした、イゼナさんのエコ商品が体験できます。

モデルハウスの外観。2010年3月に作られた建物ですが、建てられてからも様々な実験が行われているようです。
バルコニーに取り付けられた4枚のパネルは温水パネル。ここで作った温水を基礎下に流し、冬に備えた蓄熱を考えたと聞きました。しかし水はけが良すぎて上手く地中に熱が貯まらなかったようです。

玄関を入ると大きな土間があります。土間に入った瞬間に外とは違うひんやりとした空気を感じました。室温がは26度とのことでした。
この建物では2階床下にアクアレイヤーがあります。アクアレイヤーは水が入った筒状の袋なのですが、それが3t程2階の床下に入って大きな蓄熱槽となっています。ここからの輻射熱により室温が程よく下がります。
アクアレイヤーはヒートポンプで冷やされています。

2階に上がると、アクアレイヤーで床が少しひんやりとします。床冷房と言うのは初めて体験しました。フローリングとアルミの床材がありましたが、熱伝導率が良いアルミの方が冷たく感じられます。
窓際のオレンジの断熱ロールカーテンがあります。空気層が挟まれているため断熱効果があるようです。

窓の外には遮熱シートがかけられています。これがないとバルコニーからの照り返しで室温が高くなります。いろんな物を試した結果、黒色遮熱タープの二枚重ねとなったそうです。

北側の高窓。南の窓とこの高窓で通風をとるようです。ポリカの内窓があり、冬は内窓を閉めるようです。西面と東面にも小窓があるのですが、結果として東と西の窓は暑いだけなので、無い方が良かったとのことでした。

見学会の後は、社屋にて社長から色々とお話をお伺いしました。床暖房の販売からアクアレイヤーの開発いたるまでのお話は非常に興味深いものでした。

蓄熱について

先日勉強会で、土を蓄熱に使う住宅の話を聞きました。その住宅では床下にエアコンを仕込み床下を冷暖房して床下から風を吹き出して空調を行なっていました。目的は基礎とその下の土も蓄熱層と考え同時に冷暖房することで、安定した熱環境を作ることです。そのため地面と建物の間には断熱材がありません。24時間全館空調が原則で安定するまで3年かかるそうです。アクアレイアーも含め蓄熱はこれから活用されるべき技術だと思います。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら