「□見てきたもの 国内」の記事一覧

箱根リトリート fore(フォーレ)

□見てきたもの 国内

週末に箱根に行ってきました。急に行くことになったので、あまり下調べをせずに行ったのですが、建物がしっかりしているので、現地で調べたところ。渡辺明さんが1996年に設計した建物でした。当時の名前は俵石閣別館。その後運営会社が代わり、リフォームされて現在の施設となっているようです。渡辺明さんは、二期倶楽部を1987年に作られたことでよく知られています。

建物は、二期倶楽部と同じように分棟となっています。受付をしたり、朝晩の食事をするのはガラス張りの建物。

その内観。右の板張りのボックスは、竣工当時は透明のアクリルで作られ、もっと見通しがよかったようです。

レストランの反対側にあるカフェ。この屋根の不思議な意匠が気になり、建物を調べたところ、渡辺明さんだとわかりました。

敷地の奥まったところにある広場。左が宿泊施設で右はホビースペース。宿泊施設は三つぐらいの棟に別れていました。

宿泊スペースからの眺め。窓から見える森の緑が心地よいです。

最近泊まった箱根本箱、ホテリ・アアルトと同じようなリフォームの宿泊施設です。箱根本箱、ホテリ・アアルトは大掛かりなリフォームでガラリと変わったものとなりましたが、ここでのリフォームは当時の意匠を生かしたリフォームのように感じられました。手が入れられていないところも多いので、ところどころ建物の痛みが目立つところがあるのが気になりました。

チェックインでは鍵を渡されるだけで、部屋への案内も特にありません。また部屋にはテレビもなく、冷蔵庫に水があるだけでビールなどはありません。ホテリ・アアルトなどの至れり尽くせりのサービスとは全く違う少しストイックな施設です。

帰り際の宿泊者が宿の方に「ほっとかれて過ごせたのが一番よかった。」と言葉をかけていました。また音楽家らしき人が一人で来て楽譜を書いていたりもしました。そんなお宿でした。

安藤忠雄初期建築原図展

□見てきたもの 国内

来週23日で終わる、安藤忠雄さんの展覧会に先日滑り込みで行ってきました。

この展覧会ではタイトルにあるように、初期の建物の図面の展示が行われています。安藤さんの図面はとても美しい図面です。工事のために作っている図面なのですが、このような展覧会に出品されることを前もって予想しているかのような図面です。内容が工事会社に伝われば良いという図面ではなく、プロジェクトに対する思いやエネルギーを伝えたいという図面という言い方もできるかもしれません。先日ある先輩が、安藤さんのことをエネルギーの塊と行っていましたが、図面からも伝わってきました。

どうでもいい話ですが、TUME’S Iの解説に出てきた高瀬川の治水を行った角倉さんは、少しだけ私のご先祖様に関係があるようです。大分で似たような事業を行ったので、角倉の名前をもらったと聞きました。どうでもいい話でスミマセン。

休みの日は、岩崎邸からの入場となるので、岩崎邸も久しぶりに見てきました。見所のインテリアは、残念ながら撮影不可です。

岩崎邸の前にある湯島ハイタウン。30代で事務所を始めた頃に事務所として使っていました。

展覧会後に友人が予約してくれていた、近くのda GIORGIOというピザ屋はなかなかおすすめです。

岐阜の建築を見に行きました。(2日目)

□見てきたもの 国内

2日目の最初は、瞑想の森 市営斎場(2006年 伊東豊雄)に行きました。こちらは見学時間が9時〜9時30分と決められています。また3人以上で行くときは事前予約が必要です。


途中通った鵜飼大橋。僕が勤めていたアプル総合計画事務所がデザイン監修を行なっています。


瞑想の森の外観。ハスの池が前にあります。屋根の形状が独特です。一緒に行った妻はソチミルコのレストランを思い出すと言っていました。


インテリアは屋根から連続した柱が地面に突き刺さるように作られています。幅木が曲面となっているのは、湯から立ち上がって壁ができているような見せ方をしたかったからだと聞いています。

二つ目は可児文化創造センター(2002年 香山壽夫)

外観


内部空間。大きなガレリアを軸とした作り方は、初日に見た長久手文化の家を思い出しました。長久手文化の家は色使いに特徴がありましたが、可児ではだいぶ抑えられた色使いになっています。


事務の方の案内で小ホールも見ることができました。
展示会が開かれていたり、勉強をする学生がいたり、建物は長久手文化の家と同様に市民に活用されていました。建物はとても立派な建物で、少し立派過ぎるとも思いました。

三つ目は花フェスタ記念公園へ。
昔勤めていたアプル総合計画事務所の作品があります。
西ゲート施設(2002年 アプル総合計画事務所)

この建物の基本設計までを担当して、退職しました。緩やかなカーブを描く細長い建物に、飲食物販、トイレ、事務所などの様々な機能が入っています。


建物は写真のように内部空間となっているところもありますが、外部空間のエリアが多いのが特徴です。外部空間となっているところの木の痛み方が気になりました。メンテナンスがほとんどされていないようで、退色やひび割れがそのままになっています。
西ゲート施設の隣には、物販施設という木造の屋外施設があったのですが、仮囲いで覆われていました。ホームページでは、工事中とありました。木部が痛みリフォームでもしているのかもしれません。

花の地球館・花のタワー(1995年 アプル総合計画事務所)


休みのこの時期に、施設や公園に人がほとんどいないのがとても気になりました。完成後に見に行ったときはかなりの人出で賑わっていたのですが。

建物にメンテナンスが行き届かないというのは、そのあたりも関係しているのではないかと考えさせられました。
建物はできた後にどのように使われるか。それもできたすぐ後ではなく、ずっと後の使われ方の姿がとても大事であると改めて思いました。

四つ目はすぐ近くの、道の駅 可児ッテ(2010年)へ

外観。斜めの壁柱が特徴です。


照明器具や壁のリブ材が特徴となったインテリアですが、物販施設の雰囲気の印象の方を強く感じます。

ここから今日最後の建物で、今回の見学ツアーの目玉である、ぎふメディアコスモスへ


見学の前に、近くの植東というお店で昼食。田楽です。

みんなの森 ぎふメディアコスモス(2015年 伊東豊雄)

1階から階段を上がってメインの空間である、2階の図書館に向かいます。


木格子で作られた天井の中に、白い「グローブ」が吊り下げられています。


「グローブ」には天窓が設けられており、明るい空間となっています。また床下空調が「グローブ」に対して設けられており、空調的にも「グローブ」を中心とした快適な状態を作っているとのことでした。グローブの内側と外側で温度環境が違うと聞いた覚えがあるのですが、それは体感的にはよくわかりませんでした。


木格子の天井は岐阜の山々の稜線を意識したものだそうです。


1階の事務室。オープンなカウンターと、開かれた執務空間。


天井の様子。設備関係が木製のルーバーの奥に透けて見えます。


外観。サッシの外側に木が取り付けられていました。現代的な建物なのですが、昔から建っている大きなお寺のようにも感じました。

意匠、構造、設備、そして使われ方、全てが噛み合った素晴らしい建築でした。

岐阜の建築を見に行きました。(1日目)

□見てきたもの 国内

前々から気になっている伊東豊雄さんのぎふメデイアコスモスも含めたいくつかの建物を見に、8/10~11に一泊で岐阜に出かけてきました。
名古屋からレンタカーを借りていくつかの建物を見ながら長良川温泉に向かい一泊。翌日は名古屋へ戻りながら建物を見る建築ツアーです。


まずは、名古屋駅でひつまぶしを食べ、12時にレンタカーを借りて出発です。

初日最初に見たのは、長久手市文化の家。大学・大学院の時に研究室でお世話になった香山先生が設計をされた1998年にできた建築です。

こちらが車寄せがある正面。


反対側の立面。建物は傾斜地であることを生かして作られています。


建物の中には街路のような大きなガレリアがを通りいろんな施設を結びつけています。夏休みということもあり、建物は様々な利用者で賑わっていました。

次に見に行ったのは、逢妻交流館(2010年 妹島和世)です。

外観

半分外部となった3階。

建物は、柔らかい曲線で作られた不定形の建物です。不定形の線で作られたインテリアには、様々な面白い空間がありました。建築としてとても魅力的でした。

全面ガラス貼りの空調ランニングコストがどれくらいかかるのかが気になったところ。

また建物の雰囲気に什器備品のセレクトがもう少し追いついてくれたら、もっと雰囲気がよくなった気がしました。

この日三つ目は多治見市モザイクタイルミュージアム(2016年 藤森照信)


インパクトがある外観で、テンションが上がります。


一階でチケットを買ってまずは4階に上がります。


エレベーターで上がろうとすると階段を勧められました。なかなか雰囲気が良い階段室です。


4階。半屋外となった展示室は、建築家藤森さんの世界観とタイルの展示が上手く噛み合っていました。

ここから3階と2階を見たのですが、こちらは藤森さんはどうやら関わっていないようで、普通のタイルの展示が行われていました。藤森さんの建築が目的できた人は、少しもの足りなく感じるかもしれません。


この日は17時に長良川温泉へ。夜は鵜飼見物です。

ホテリ・アアルト

□見てきたもの 国内

週末に裏磐梯のホテリ・アアルトに泊まってきました。環境、食事、飲み物、サービス、全てに感心して帰ってきました。

先日箱根本箱について書きましたが、箱根本箱と同じく保養施設だった建物を改修した宿泊施設です。しかし改修の方針が180度違っているところが、まず面白かったです。

箱根本箱では、既存の躯体の状況をあらわにすることなどもデザインとしていましたが、ここでは外観だけは残しますが、インテリアに関しては新築のように全てをかなりの密度で作りこむ改修をされていました。


部屋は白と木で作られた北欧調のインテリアです。正面の窓ガラスの両サイドは木製の網戸となっており、その奥にある可動サッシの框を隠しています。


障子や板戸が戸袋中に隠し込まれて光や視界の状況をコントロールしています。


竪格子で背後の扉などを隠し、エアコンも隠す工夫がされています。


部屋の入り口のブラケット証明と室名板。


エントランスロビー。木材がふんだんに使われています。ロビーの周りでは午後3時から午後10時までのアルコールを含む飲み物がフリーとなっています。


建物の模型。茶色の模型が既存施設で、白い模型は増築された部分を示しているようでした。


増築されたところにバーがあり、7月にオープンしたてのことと聞き行ってみました。


ここでのバーの営業は土曜日の16時〜22時のみ。他の日は郡山で営業されているバーテンダーの方にきていただき、営業をされているようです。そしてここでもウィスキー、ワイン、日本酒のそのほとんどがフリーとなっています。お金を殆ど稼ぐことがない施設にお金をかける姿勢に驚きました。写真のウィスキーは、ホテルの名前をつけたモルトウィスキー。バーテンダーさんも開発に加わったとお聞きしました。おいしいウィスキーでした。ホテルでは7000円で売っているようですが、市場にはあまり出していないようです。


窓からの眺めです。窓の向こうには沼地が広がっています。


柱の周りに構造とは関係のなさそうな張り物があったので気になり、つい撮った写真。


バーへのアプローチの見返し。ホテルの名前からどうしても気になっていた、建築家アルバーアアルトの煉瓦を使った床を思い出しました。


もう一つの増築棟の廊下。新たな客室と露天風呂が作られていました。照明と木を絡めてインテリアを作っています。


ロビーとダイニングスペースの間には居心地の良い中庭があります。テラス席では、皆がおもいおもいに寛いでいました。


眺めの良い、ダイニングスペース。


食事はこんな感じです。ここでも飲み物にお金はかかりません。ワインと日本酒をいただきましたが、どれも美味しかったです。

送迎のドライバーさんの話では、特に大きな営業活動はしなかったのだけど、自然と注目されるホテルとなり人が集まるようになったと言うことでした。良いものを提供したいと言う気持ちが、環境、食事、飲み物、サービスの全てから伝わってきたことに感服しました。そしてそれが人々の心を打ち共感を呼ぶことで、自然と人が集まるようになったのだと思いました。

ページの先頭へ