階段のデザインのディテール

代々木の二世帯住宅は、先日竣工写真を取りました。その時に少し時間があったのでゆっくりと細部のおさまりを改めて見る時間を持つことができました。

階段のデザインのディテール
階段は平面図と立面図を同時に考えて、辻褄合わせを行いながらデザインしていきます。特に手すりは斜めと水平、垂直が取り合うので、検討に時間がかかる面倒なところです。しかし手間をかけて段々と整えていくその作業は、手間隙はかかりますが楽しい仕事です。

今回は、軽快な階段としたい、段板と手すりに木材を使って欲しいというリクエストがありました。
軽快な階段ということで、鉄骨階段としました。ささらは少し厚めの12ミリの鉄板を使い幅を120ミリに抑えました。幅が狭い鉄板から木の段板が飛び出すデザインで、段板にはテーパーをかけて先端の厚みを18ミリとしました。
踏板の表側ノンスリップ加工がなされrています。段板はレッドオーク。プラネットカラーという木材保護着色塗料で着色しています。
段裏のディテール。桁の間に9×75の鉄板を架け渡しその上に段板を乗せかけています。

手すりのディテール。軽快な階段ということで、手すりも小ぶりにしています。180度回転して斜めに上がっていく木の手すりの加工は難しいと思っていたのですが、綺麗に作っていただけました。
木の手すりを薄くするためにスチールの補強を入れています。12×25のスチールのフラットバーの上に24×40のレッドオークを載せかけています。
手すりを支える手すり子も12×25のスチールのフラットバー。階段4段ごとに設けています。手すりの下方に、一本中桟を入れています。13φの丸鋼を今回は使いました。強度を優先する場合は16φですが、今回は手すり子より太くなるのを嫌い、小ぶりとしました。
階段を登るときの斜めの手すりは、段板先端からの高さが850〜900ミリ。一方水平部の手すりの高さは1100ミリ。 高さの違いがあるので、どのように折り曲げて連続させるかがポイントです。立ち上がりの手すりの12×25のスチールのフラットバーは、当初は露出されていましたが、気に入らなかったのか、大工さんがいつの間にか薄い木板で隠していました。

著者情報

角倉 剛
角倉 剛
私にとってのデザイン(設計)は問題解決です。どのような解き方をするかに設計の力点を置いているため、スタイル(モダン和風とか北欧風とか)にはこだわりません。
お住まいになる方の好みとか、建てられる場所の環境に相応しいものを作りたいと思っています。住宅は住まわれる方にとって、好きな洋服の延長のようなものであってほしいと考えています。 詳しいプロフィールはこちら